「そんなところまで!?」畳工場で働くみんなの細かな作業をご紹介
こんにちは!就労継続支援B型事業所「りんぐす」です。
いつも当ブログをご覧いただき、温かい応援をいただき本当にありがとうございます。
これまで、りんぐすでは「畳ができるまでの大きな流れ」や「メインとなる製作工程」について詳しくご紹介してきました。
(※未読の方はぜひこちらもご覧ください!)
大きな機械を操作し、職人のように畳を作る姿は、工場の花形と言えるかもしれません。しかし、実際の現場には、写真や短い動画だけでは伝えきれない、もっともっと「細かい作業」が無数に存在します。
今回は、あえてその「細かすぎて今まで紹介できていなかった作業」にスポットを当ててみたいと思います。実は、これらの作業こそが「りんぐすの品質」を支え、そして「利用者さんの驚くべき成長」を物語っているのです。
Contents
「時間がかかってもいい、それが大切な仕事」
りんぐすの畳工場での仕事は、スピードだけがすべてではありません。
私たちが何より大切にしているのは、「一つひとつの工程を丁寧に、確実に行うこと」です。
今回紹介する作業は、どれも地味で、時間がかかるものばかりかもしれません。効率だけを考えれば、もっと簡略化できる部分もあるでしょう。しかし、その「ひと手間」を惜しまないことが、お客様に届く畳の美しさに繋がり、何より利用者さんの「働く喜び」や「責任感」を育んでいます。
それでは、りんぐすを支える7つの「名もなき名業務」を詳しく見ていきましょう。
りんぐすを支える7つの「名もなき名業務」図鑑
1. 資源を大切に繋ぐ「芯材(筒)の回収とパズル作業」
畳の表面に使う樹脂製の原料。これらはすべて、頑丈な紙製の「筒」に巻かれた状態で届きます。
- 終わった筒を集めてダンボールへ: 原料を使い切ると、その都度この大きな筒が残ります。放っておくと通路はすぐに筒で溢れてしまいます。利用者さんは、各持ち場を細かく回り、空いた筒を一本ずつ丁寧に回収していきます。
- 「詰め方」に宿る職人魂: ただ箱に入れるだけではありません。丸い筒を四角いダンボールに、いかに隙間なく美しく詰めるか。これはまるで立体パズルのような作業です。

2. 工場のリズムを作る「検品台の整理整頓」
畳の仕上がりを厳しくチェックする「検品台」は、工場の心臓部です。
- 箱いっぱいの筒を元の位置へ: 検品作業で一時的に使われ、箱がいっぱいになった筒。これをそのままにせず、元の保管場所へ戻す作業があります。
- 「次への優しさ」が生まれる場所: 次にその場所を使うスタッフが、一歩も立ち止まることなく作業に入れるように整えられます。

3. 先回りの知恵「梱包用ダンボールの運搬」
完成した畳を保護するための大きなダンボールを、必要なタイミングで検品台まで運びます。
- サイズを見極める眼力: 畳にはさまざまなサイズがあります。利用者さんは、適切なサイズのダンボールを運び込みます。
- 「先回り」という成長: 指示を待つのではなく、状況を見て「次はこれが必要だな」と動く。こうした主体的な動きは、日々の積み重ねが生んだ、素晴らしい成長の証です。

4. 重い荷物に込める責任感「台車の移動と加熱機への橋渡し」
畳が乗った重い台車を、熱を加える機械まで運んでいく作業です。
- 慎重かつ大胆に: 何本もの畳はかなりの重量です。崩さないように、かつ機械の入り口に正確にセットするために、全身の力と集中力を使って台車を操ります。
- 「熱」を通すという重要なバトン: 製品に「命」を吹き込む工程への橋渡し。利用者さんは、その責任の重さを理解し、力強く台車を押していきます。

5. 最後のひと踏ん張り「荷台への積み込み作業」
梱包が終わったダンボールを、発送用の荷台に乗せていく作業です。
- 丁寧なハンドリング: 「中身はお客様の大切な畳だ」という意識が、その手つきに表れます。重い荷物をそっと、かつ確実に積み上げていきます。
- 達成感の瞬間: 荷台がいっぱいになったとき、それは今日一日の努力が形になった瞬間でもあります。

6. 美しさを閉じ込める「変色防止の透明袋かけ」
畳にとって空気は、色の変化を招く大敵です。
- 袋かけ: 大きな畳に袋を被せるのは、実は至難の業です。中の空気を出来るだけ抜いて、角が折れたりしないよう、集中して作業します。
- 「新品のまま」を届けるために: お客様の感動を左右する、最高に「粋」な作業です。

7. 現場の「困った」をゼロにする「テープの補充」
最後は、最も細かく、しかし最も感謝される「テープの補充」です。
- 縁の下の力持ち: 作業の途中でテープがなくなると、リズムが止まってしまいます。そうならないよう、検品に使うテープの残量を確認して予備を置いておきます。
- 「気づき」の感性: 「言われてからやる」のではなく「なくなる前に準備する」。この高い意識が、現場を支えています。

立ち上げ当初には想像もできなかった「今」
実は、これらの作業の多くは、りんぐすが始まったばかりの頃には、利用者さんにお願いしていなかったことばかりです。
当初は、メインの工程をサポートしてもらうだけで精一杯でした。私たちスタッフも、「ここまで任せても大丈夫だろうか」「細かすぎて負担にならないだろうか」と、慎重になっていた部分もありました。
しかし、月日が流れ、利用者さんたちは私たちの想像を超えるスピードで、そして確かな歩みで成長してくれました。
今では、こちらが何も言わなくても「筒が溜まっていますね」「テープ補充しておきます」と、自ら仕事を見つけ、責任を持って完結させてくれます。
その姿を間近で見ていると、胸が熱くなる瞬間が何度もあります。
「任せられる仕事が増える」ということは、それだけ「地域社会やお客様の役に立っている」という自信が、利用者さんの中に育っているということ。
たとえ時間がかかっても、不器用でもいい。
一つひとつの作業に心を込め、昨日できなかったことができるようになる。
その「肌で感じる成長」こそが、りんぐすという場所が存在する一番の意味なのだと確信しています。
結びに
サンクラスタの畳は、ただの「床材」ではありません。
原料の筒を片付ける手、重い台車を押す背中、袋を丁寧に被せる指先……。今回ご紹介したような、数えきれないほどの「細かな想い」と「成長の記録」が、その一枚一枚にギュッと詰まっています。
もしどこかで畳を見かけることがあれば、ぜひ思い出してください。
その畳の裏側には、今日もコツコツと、でも誇らしげに働く利用者さんたちの笑顔があるということを。
これからも、私たちは利用者さんと共に歩み、一歩ずつ、丁寧に、最高の畳を作り続けていきます。
りんぐすでは、見学やご相談をいつでも大歓迎でお待ちしています!
この「活気」と「優しさ」に満ちた現場を、ぜひ一度、皆さんの目で確かめに来てください。畳の香りに包まれた工場で、スタッフ・利用者一同お待ちしております。
