利用者さんの一日〜畳工場で働く笑顔とともに〜

こんにちは!いつもこのブログを読んでくださり、本当にありがとうございます。

前回は、私たちの事業所での一日をご紹介しました。

さて、私たちの就労継続支援B型事業所では、多岐にわたる活動を提供していますが、今回は「畳工場での作業」にスポットを当て、ある一日の流れをご紹介したいと思います!

畳という日本の伝統文化に触れながら、仲間たちと協力し、時には笑い声が響く、そんな温かい一日をぜひ覗いてみてください。

一日の始まり:元気な挨拶と健康チェックから

今日一日の始まりは、朝の送迎からスタートです。

利用者さんの中には、公共交通機関での移動が難しい方や、自宅からのアクセスを考慮して送迎を希望される方がいらっしゃいます。もちろん、送迎を希望されない方はご自身で事業所まで来られます。

職員が、利用者さんの自宅前や近くのスポットまでお迎えにあがります。車内では「おはようございます!」という元気な挨拶から始まり、世間話や今日の作業の話題などで既に会話が弾んでいます。送迎車は、事業所と利用者さんの生活をつなぐ、大切な架け橋です。

10:00 事業所到着!まずは健康を整える時間

作業を開始する前に、すべての利用者さんが行う大切なルーティンがあります。それが「健康チェック」です。

  • 血圧測定
  • 体温測定

体調は作業の集中力や安全に直結するため、このチェックは欠かせません。職員が見守る中、皆さん落ち着いた様子で測定を行います。

「血圧はいつも通り安定していますね」「体温も平熱でバッチリです!」

職員からの声かけに、「よし、今日も頑張れそうだ!」と笑顔で応える利用者さんの姿は、一日の活力そのものです。


午前中の作業:畳工場を支える多岐にわたるお仕事

健康チェックが終わり次第、いよいよ作業のスタートです。

畳工場での作業は、一見すると「難しいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。しかし、ご安心ください。私たちは、畳の製造工程の中で、障害の程度に関わらず、利用者さん一人ひとりが力を発揮できるように細かく作業を切り分けています。

作業の選定にあたっては、職員が一方的に決めるのではなく、障害の程度本人の意思(「この作業に挑戦したい!」「得意な作業を続けたい」)を最大限に尊重しています。これが、皆さんが高いモチベーションで取り組める秘訣です。

作業例

畳工場での作業内容は非常に幅広く、選択肢は豊富です

1. 畳の原料補充(樹脂製材料)

  • 内容: 近年需要が高まっている、耐久性に優れる樹脂製の畳表の原料を、織機にセットしたり、定位置に運搬・補充したりする作業です。
  • 求められる力: ある程度の体力と、正確に指定の場所へ運ぶ集中力。

2. 製品の検品(不良品チェック)

  • 内容: 織り上がったばかりの畳表に、織りムラがないか、汚れや小さな傷がないかを、広げて目視で細かくチェックする作業です。
  • 求められる力: 視覚的な集中力と、正確に良品と不良品を見分ける判断力。
  • 職員のサポート: 「この線の歪みはOK、こっちは少し糸が飛び出しているから不具合」と、具体的な基準を丁寧に伝えます。

3. 梱包材の組み立て(段ボールなど)

  • 内容: 完成した畳表を保護するための段ボールなどの梱包材を、正確に組み立てる作業です。
  • 求められる力: 手先の器用さと、正確な手順を守る注意力。

 

💬作業中の交流:笑いと助け合い

作業中は、もちろん真剣に取り組みますが、工場内は常に活発なコミュニケーションに満ちています。

「ちょっと、この段ボールの折り目、難しいですね!」

「あ、そこはね、こうやって先に角を折ると組み立てやすいよ!」

「本当だ!ありがとうございます!」

皆、手を動かしながらも会話が弾み、「次はこれをやるね」「今日の夕飯は何にしようかな」といった日常的な話題から、作業のコツまで、自然な形で助け合い、交流しています。この「皆で楽しく作業している」雰囲気が、長時間の作業でも集中力を維持できる大きな理由の一つです。

11:00 午前中のリフレッシュタイム(10分休憩)

午前中の作業も終盤に差し掛かる11時。ここで10分間の休憩を取ります。

皆さん、一斉に作業を止め、水分補給をしたり、談笑したり、体を軽くストレッチしたりと、思い思いの過ごし方でリフレッシュします。作業で少し疲れた頭と体を休ませる、貴重な時間です。

🕛12:00 作業終了と待ちに待ったお昼ご飯

休憩後、最後の仕上げを行い、12時に午前中の作業が終了します。

お昼休みと午後のレクリエーション:心と体の栄養補給

12:00~13:00 お昼休み

待ちに待ったお昼休みです!

畳工場の休憩室は、いつも美味しい香りと、賑やかな雰囲気で満たされます。

  • お弁当の準備(希望者): 私たちは、お昼ご飯の準備についてもサポートしています。ご希望の方には、栄養バランスを考えたお弁当を手頃な価格で準備することができます。もちろん、ご自宅からお弁当を持参される方も、自由に利用していただけます。
  • 食事の様子: 「今日のお弁当のおかず、美味しいね!」「自分で持ってきたおにぎり、最高!」と、和やかな雰囲気の中、皆で一緒に食事をします。

食後の楽しいひととき:レクリエーション

食事が終わると、すぐに午後の作業というわけではありません。お昼休みが13時までとたっぷりあるため、私たちは食後の時間を活用して、リラックスできるレクリエーションを開催することが多いです。

  • 定番レク:
    • カードゲーム: ルールが分かりやすく、皆で盛り上がれるトランプやUNOなど。
    • 絵しりとり: 想像力を働かせ、皆の絵を見て大笑いすることも!
  • 目的: 食後の眠気を吹き飛ばし、心身ともにリラックスすることで、午後の作業への集中力を高めることを目的としています。

この時間は、単に遊ぶだけでなく、作業中とは違った面での協調性やコミュニケーション能力を育む、非常に大切な時間だと考えています。

午後の作業:集中力維持のための工夫と最終確認

13:00 午後の作業開始!集中力を切らさない工夫

13時から午後の作業がスタートです。

私たちの事業所では、利用者さんの集中力を維持し、作業へのマンネリを防ぐために、ある工夫を凝らしています。それは、「午前と午後で、できる限り違う作業内容を行う」という努力です。

午後のメイン作業(例:午前とは違う内容へ)

例えば、午前中に「検品」で集中して目を使っていた方は、午後には「体を動かす」作業へ切り替えることで、脳と身体をリフレッシュさせます。

1. 製品の運搬・積載

  • 内容: 梱包が完了した製品を、指定の保管場所まで運んだり、出荷前のトラックに積み込みやすいように整理したりする作業です。
  • 求められる力: 安全への注意と、効率よく運ぶ計画性。

2. 畳表のサンプル作成

  • 内容: お客様への営業用として使用する、様々な種類の畳表を小さくカットし、台紙と組み合わせてカタログを作成する作業です。
  • 求められる力: 慎重さ、ミリ単位の正確性(カッターを使う作業は職員が安全に配慮して行います)。

3. 工場内の掃除・備品補充

  • 内容: 畳工場は、作業中に小さなゴミやホコリが出ることがあります。安全かつ快適な作業環境を保つため、清掃や、作業に必要な備品(テープ、ペン、軍手など)の在庫チェックと補充を行います。
  • 求められる力: 周囲を見渡す注意深さと、整理整頓の習慣。

14:00 午後のリフレッシュタイム(10分休憩)

午後の作業も中盤に差し掛かり、再び10分間の休憩を取ります。

この時間も、午前中と同様に水分補給とリラックスに努めます。作業で出てきた疑問点を職員に聞いたり、午後の作業の進捗を皆で確認したりする良い機会にもなります。

一日の締めくくり:達成感とともに帰路へ

🕒15:00 作業終了と帰宅準備

14時10分からの最後の作業を終え、15時に本日の作業はすべて終了です。

🚗15:15頃 お見送り

作業終了後、着替えを済ませ、帰宅の準備が整った方から順次、事業所を後にします。

送迎が必要な方は、帰りの送迎車に乗り込みます。朝と同じ運転手の職員が、疲労をねぎらいながら、安全運転で自宅までお送りします。

「今日はありがとうございました。また明日!」
「お疲れさまでした。ゆっくり休んでくださいね!」

事業所の玄関や送迎車の窓越しに、職員と利用者さんの間で交わされる笑顔と挨拶が、一日の温かい締めくくりとなります。

終わりに:畳工場での仕事が利用者さんに与えるもの

畳工場での作業は、畳という伝統的な製品を縁の下で支える、非常に社会貢献度の高い仕事です。

利用者さんたちは、単に作業をこなしているだけではありません。

  • 社会とのつながり: 自分が作った製品が世に出ていく喜び。
  • 集団での成長: 仲間と協力し、コミュニケーションを取りながら目標を達成する経験。
  • 自己肯定感の向上: 自分の得意な作業を見つけ、それを確実にやり遂げる自信。

畳工場での一日は、皆さんの「働く喜び」「生きる自信」を育む大切な時間なのです。私たちはこれからも、利用者さん一人ひとりが自分らしく輝けるよう、最適な環境とサポートを提供し続けてまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!