密着3日間!中学生チャレンジワークのエピソード〜小さな気づきと大きな成長〜
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働く環境の比較がもたらす自己発見:チャレンジワークレポート
この度、就労継続支援B型事業所**りんぐす**で実施された第1回**「チャレンジワーク(職場体験)」**の詳細レポートをお届けします。倉敷市内の支援学校にお通いの中学生2名(女の子1名、男の子1名)が参加し、3日間のプログラムを修了しました。
りんぐすのチャレンジワークは、**B型事業所**と**一般企業(工場)**の2つの働く環境を体験することで、「自分にはどんな働き方が合っているか」という進路選択のヒントを見つけることを目的としています。
今回のプログラムでは、参加した2名の生徒が作業を通して、それぞれの環境で異なる才能を開花させてくれました。特に、男の子の生徒には、福祉と企業、両方の作業を体験してもらい、その適性を詳細に分析することができました。
この記事では、3日間を通して彼らが見せてくれた真剣な姿勢、そして、職員が発見した彼らの**「才能の偏り(得意な環境)」**を、具体的なエピソードと共に詳しくご紹介します。
🤝 プログラムの土台:3日間で築いた「働く姿勢」
チャレンジワークは、りんぐすの利用者さんと全く同じ、**10時〜15時**のスケジュールで実施されました。技術や知識以前に、社会人としての基礎である「働く姿勢」を身につけてもらうことが、本プログラムの重要なテーマです。
心の準備が整う「元気な挨拶」
最も印象的だったのは、2名の生徒が毎日欠かさなかった、**心のこもった挨拶**でした。
スタッフからの声:「2人とも、朝の出勤時と帰る時の挨拶は、本当に元気よく大きな声で挨拶をしてくれました。初めての環境で緊張しているはずですが、その元気の良さは、私たち職員や利用者さんにも活力を与えてくれました。働く上で最も基本的な、**コミュニケーションの土台**がしっかりとできていることに、深く感動しました。」
どんな仕事に就くとしても、人間関係は不可欠です。この「気持ちの良いコミュニケーション」の基礎をしっかりと体現してくれたことは、彼らが社会に出ていく上での最大の武器となるでしょう。
B型環境で証明された「持続力と安定性」

今回参加してくれた女の子の生徒は、チャレンジワークの**3日間すべて終日**、事業所内の**「排水溝ネットの作成」**に取り組みました。この作業は、手先の緻密さと、長時間にわたってミスなく作業を続ける**持続的な集中力**が求められます。
彼女は、3日間にわたり、毎日合計4時間(休憩を除く)という長い時間を、ほぼ同じ作業に集中し続けました。彼女の体験は、**「自分はどれだけ長く、集中して作業を続けられるか」**という、B型事業所での適性を測ることができました。
継続的な作業で高まる品質
初日は慣れない手つきでしたが、2日目には作業の効率が上がり、3日目には、利用者さんと遜色ない品質とペースで作業を進めることができるようになりました。
スタッフからの声:「彼女は、自分のペースを大切にしながら、与えられた作業に黙々と取り組む姿勢が立派でした。途中で集中力が途切れることなく、3日間を通して**安定した品質**を保ってくれました。これは、福祉サービスの中で、**定期的な納品や、高い品質基準を維持する**という役割において、非常に重要な適性です。」
この「持続力」と「安定性」は、自分のペースで働ける環境、すなわち就労継続支援B型事業所や、決まったルーティンを重視する職場で、最も力を発揮できる才能であるというヒントを、彼女は得ることができました。彼女は、「自分には、集中して一つのことをやり遂げる力がある」という確かな自信を掴んでくれたことでしょう。
工場での体験で開花した「多角的な才能」

男の子の生徒は、1日目終日、2日目午前、3日目終日は事業所で**排水溝ネットの作成**に取り組み、2日目の午後を、りんぐすグループの**一般企業(工場)**での作業体験に充てました。
この構成により、彼が「安定したB型環境」と「変化と効率が求められる企業環境」の**両極端**でどのような能力を発揮するのかを、明確に比較することができました。
工場体験(2日目午後):正確性と効率化の両立
工場での作業は、畳製品の梱包作業が中心でした。一般企業が求める**「スピードと正確性」**が求められる環境で、彼の才能は一気に開花しました。
スタッフからの声:「工場での作業は、製品のサンプル用テープ貼りや段ボールの組み立てなど、多岐にわたりました。その中で、彼は驚くほどの**多角的な才能**を発揮してくれました。
- **【正確性】テープ貼りの作業では、見本の大きさのテープと、自分が切るテープの大きさをしっかり**比べて確認**することができていました。品質を厳しくチェックする工場の基準に見合う、**高いセルフモニタリング能力**を発揮しました。
- **【効率化】**段ボールを作る作業では、最初に教えた貼り方だけでなく、作業を進める中で**『どうすればもっと早く、きれいに貼れるか』**を考え、**自分で貼りやすい貼り方を見つけて貼ってくれました**。これは、指示を待つだけでなく、自ら作業を改善しようとする**問題解決能力**の高さを示しています。
このエピソードからわかるのは、彼は**「正確性」という福祉環境で求められる能力**を持ちながらも、それを**「効率化」という企業環境で求められる能力**と結びつけることができる、非常にバランスの取れた才能を持っているということです。
「なぜ?」を問う探求心とコミュニケーション
さらに、彼の積極的な姿勢は、コミュニケーション面でも際立ちました。
「工場で使われるホットメルト(畳を製造する際に使用する接着剤の原料)を見たとき、『これって何に使うの?』と**自ら質問**をしてくれました。これは、単に作業をこなすだけでなく、**『なぜこの作業が必要なのか』**という背景や、製品全体がどのように作られているかを知ろうとする**探求心**がある証拠です。この積極的な関心は、新しい環境での適応力や、企業でのOJT(オンザジョブトレーニング)で大きく成長していくための、何よりの財産となります。」
彼の適性は、一般企業や就労移行支援、A型事業所など、**積極的な関わりや多岐にわたる作業への適応**が求められる環境で、大きく伸びる可能性を秘めているという、具体的な進路のヒントを得ることができました。
🤝 中継地点:昼休憩と関係者との連携
この3日間を通して、学生たちがリラックスし、職員や利用者さんと交流を深めたのが、昼休憩の時間でした。
けん玉を通じた自然な交流
今回はレクリエーションの時間を設けず、**自然発生的な交流**を促しました。**けん玉**に、学生さんが興味を示したことがきっかけで、皆でけん玉に挑戦する時間が生まれました。
作業中の真剣な雰囲気とは異なり、笑い声の絶えない和やかな時間を通して、学生たちは「働く環境」が、単に作業をする場所ではなく、**「人と人が関わり、共に過ごす場所」**でもあることを肌で感じてくれました。年齢や立場を超えた自然なコミュニケーションの体験は、彼らの社会性育成に大きく貢献したと考えています。
毎日見守ってくださった先生方との連携
また、3日間のチャレンジワーク期間中、毎日、学校の先生方が事業所まで足を運んでくださり、生徒の頑張りを温かく見守ってくださいました。私たちは、学生の体験中の様子や、作業結果のデータを、先生方と密に共有し、**進路指導に直結する具体的な情報**を提供しました。学校と事業所が連携することで、ご本人やご家庭がより自信を持って未来の選択ができるよう、サポート体制を構築しています。
まとめ:チャレンジワークが照らす未来の可能性
第1回チャレンジワークは、参加した2名の中学生に、**「働くことの楽しさ」**と**「自分という才能の具体的な使い方」**を伝えることができた、非常に有意義なプログラムとなりました。
りんぐすは、今後もこの**「2つの働く環境比較」**という独自のプログラムを通じて、倉敷全域の中学生・高校生の進路の選択肢を広げ、自信を持って社会に出られるようサポートし続けます。彼らがこの3日間で得た経験と自信が、これからの未来を明るく照らすことを心から願っています。
進路にお悩みの中学生・高校生、保護者様、関係者の皆様、ぜひ一度、りんぐすのチャレンジワークについてお気軽にお問い合わせください!
