倉敷 B型事業所「りんぐす」の輝く日々:利用者さんインタビュー【Part2】
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利用者さんに聞いてみました。
― りんぐすで過ごす時間と、その先にある想い ―
倉敷市にある就労継続支援B型事業所「りんぐす」では、日々さまざまな利用者さんが、それぞれのペースで作業に取り組まれています。
畳工場での検品や原料補充、畳サンプル帳の作成、古着のネット販売に関わる採寸や撮影作業、そして座って行える内職作業など、内容は多岐にわたりますが、どの作業にも共通しているのは「人と人との関わり」の中で進められているという点です。
今回は、そんな「りんぐす」で日々過ごされている男性の利用者さんお一人にご協力いただき、いくつかの質問をしてみました。 作業のこと、日常のこと、そしてこれからの夢について。 普段の何気ない会話の中ではなかなか聞くことのない想いが、言葉の端々に表れていました。
この記事を通して、「りんぐす」という場所が、利用者さんにとってどのような空間なのか、少しでも感じていただければ幸いです。
① ここで働いていて1番楽しいと思うことは何ですか?
「皆とたわいもない話をして笑い合うことです」
この答えを聞いたとき、私たちは思わずうなずいてしまいました。 りんぐすの一日は、決して作業だけで成り立っているわけではありません。 もちろん、仕事としての作業は大切ですが、その合間に交わされるちょっとした会話や、何気ない冗談、ふとした瞬間の笑い声が、場の空気をやわらかくしています。
作業中に「昨日テレビで見たんだけどね」と話が始まったり、「それ、ちょっと面白いなあ」と笑いが広がったり。 そうした何気ないやり取りがあるからこそ、緊張しすぎることなく、自然体で過ごせる時間が生まれています。
この利用者さんも、そうした「たわいもない話」の中に楽しさを見出してくださっているのだと思います。 誰かと笑い合える時間があるということは、それだけ安心できる場所であるということ。 その言葉には、りんぐすの日常がそのまま映し出されているように感じました。
② ご自身の特技は何ですか?
「料理です」
即答で返ってきたこの一言。 実はこの利用者さん、りんぐすのイベントでもその腕前を披露してくださっています。
以前行ったBBQでは、率先して焼きそば作りを担当してくださいました。 鉄板の前に立ち、手際よく具材を炒め、味付けを調整しながら、周りの様子にも気を配る姿はとても頼もしく、「さすが料理が得意なだけあるな」と感じさせられる場面でした。
完成した焼きそばは、もちろん味も大好評。 「おいしい!」という声があちこちから聞こえ、自然と笑顔が広がっていきました。
料理というのは、単に食べ物を作るだけでなく、人を喜ばせたり、場を和ませたりする力を持っています。 この利用者さんの料理には、そうした力がしっかりと詰まっているように思います。
③ B型事業所に求めることは何ですか?
「利用者の人が来て、ストレスや悩み事が無くなることです」
とても優しく、思いやりのある回答でした。 自分自身のことだけでなく、「来る人みんなが楽になれる場所であってほしい」という想いが、この一言に込められています。
日常生活の中では、誰しも大小さまざまなストレスや悩みを抱えています。 りんぐすに来ることで、少し気持ちが軽くなったり、「ここに来れば大丈夫」と思える時間が持てたりする。 そんな場所であってほしい、という願いは、まさに私たち職員が大切にしている想いと重なります。
④ 今、手元に100万円あったら何がしたいですか?
「車が買いたいです」
現実的でありながら、どこか夢のある答えです。 車を持つということは、移動の幅が広がり、できることも増えていきます。 行きたい場所に自分のタイミングで行けること、行動範囲が広がることは、生活の自由度を大きく高めてくれます。
この一言からは、「自分の力で前に進みたい」という気持ちも感じ取ることができました。
⑤ 今、夢はありますか?
「りんぐすには工場があるので、ステップアップして社員になれたらなと思ってます」
とても力強く、前向きな夢です。 りんぐすでは、B型事業所としての支援だけでなく、その先のステップアップも大切に考えています。
日々の作業を通して経験を積み、「もっと頑張りたい」「次の段階を目指したい」と思えるようになること。 この利用者さんは、しっかりと未来を見据えています。
⑥ りんぐすを一言で表すと何でしょうか?
「漢字で一言で『笑』です!」
最後の質問に対するこの答えを聞いたとき、思わずこちらも笑顔になりました。 「笑」という一文字には、楽しい、安心できる、気持ちが和らぐ、といったたくさんの意味が詰まっています。
りんぐすの日常を象徴する、これ以上ない言葉ではないでしょうか。
おわりに
今回のインタビューを通して改めて感じたのは、りんぐすは「作業をする場所」であると同時に、「人と人がつながる場所」だということです。
笑い合い、支え合い、ときにはそれぞれの夢を語り合う。 その積み重ねが、日々の安心感につながっているのだと思います。
これからもりんぐすは、利用者さん一人ひとりの想いを大切にしながら、無理なく、自分らしく過ごせる場所であり続けたいと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
