福祉業界に蔓延る不正受給問題!りんぐすが貫く正義とは

2024年、大阪市である衝撃的なニュースが駆け巡りました。複数の就労継続支援B型事業所が、総額数億円規模の不正受給を行っていたとして、自治体から指定取消などの厳しい行政処分を受けたのです。その後も不正受給に関する問題が多発しました。

問題の核心は「就労移行支援体制加算」の悪用にありました。本来、この加算はB型事業所から一般企業への就職を実験し、定着させた「支援の努力」を称えるための報酬です。しかし、一部の事業者は、自法人のグループ会社で形式的な雇用契約を結び、期間が過ぎれば解雇して再び事業所に戻す、あるいは実態のない定着支援を報告するといった「仕組み(スキーム)」を作り上げていました。

これは単なる事務ミスではありません。福祉という名を借りた「公金の搾取」であり、何より「利用者の人生の私物化」です。

私たち「りんぐす」は、この問題を深刻に受け止めています。業界全体が疑いの目を向けられている今だからこそ、私たちがどのような哲学で経営し、どのような覚悟で現場を守っているのか。社長とサービス管理責任者(サビ管)にインタビューしてみました。


第1章:【経営者の覚悟】利益は「目的」ではなく「結果」である

まず、この不条理な現状に対し、経営を司る社長にインタビューを行いました。社長の言葉からは、数字の裏側にある「人間」へのまなざしが見えてきます。

1. 制度の形骸化を問う:利用者の「心」はどこにあるのか

――本来、一般就労を祝うための加算が、一部で「利益を出すためのスキーム」に悪用されています。この現状をどう感じていますか?

社長:「これは非常に難しい質問ですね。そして福祉に関わる者として痛切に考えなければならない問いです。私が一番に感じるのは、このスキームの中で『一般就労移行された利用者様の気持ち』が完全に無視されているという怒りにも似た悲しみです。」

「一般就労を志して私たちの支援を利用される方は、不安と期待が入り混じる中で大きな一歩を踏み出します。それなのに、せっかく就職した場所が『ただの形式的な椅子』であり、一定期間が過ぎたらまた事業所に戻される。その時の利用者様の心はどうなるでしょうか?『自分は社会に必要とされたのではなく、事業所のお金儲けの道具だったのか』。そう感じさせてしまうことほど、福祉職として残酷な裏切りはありません。」

「もちろん、体調や環境の変化でやむを得ず退職し、再利用されるケースはあります。しかし、意図的な『回し就労』を見抜くためには、私たち経営者や現場スタッフが、これまで以上に『利用者様本人の本当の意思』を丁寧に、愚直なまでに確認し続ける必要があります。それこそが、制度の形骸化を防ぐ唯一の堤防なのです。」

2. 「数」か「人」か:信頼を切り売りする経営の末路

――就職実績という「数」を追うあまり、利用者の「人生(定着)」を置き去りにする判断は、長期的には事業所にどのような悪影響を及ぼすと考えていますか?

社長:「答えはシンプルです。利用者様、ご家族、そして地域や相談支援機関からの『信頼』をすべて失います。

「経営者の仕事とは、会社の将来を長期的に描き、そこから逆算して目の前の業務を構築することです。目先の加算という小銭を拾うために、一番大切な信頼という資産をドブに捨てるのは、経営判断としてあまりに愚かです。そもそも法人とは、『利益が出るから必要とされる』のではありません。『必要とされるから、利益が出る』のです。社会に必要とされ、目の前の一人に誠実に向き合い続ける企業こそが最後に残ります。利益に執着し、福祉の本来の目的を忘れた企業は、たとえ今は潤って見えても、遅かれ早かれ必ず社会から淘汰されるでしょう。」

3. りんぐすのスタンス:ボスの名は「経営理念」

――利益(加算)の追求と利用者の幸せ。このバランスをどう取っていますか? また、透明性をどう担保していますか?

社長:「実は、弊社はそれらを『バランス』で捉えていません! 矛盾するように聞こえるかもしれませんが、両者は天秤にかけるものではないからです。」

「利益は、あくまで質の高いサービスを提供した結果としてついてくるものです。必要とされるサービスなら人は集まり、利益は出る。必要とされなければ、どんなに広告を打っても人は離れ、利益は減る。それだけのことです。そして、りんぐすのガバナンスについてですが、弊社のボスは私(社長)ではありません。私たちの『経営理念』です。この理念を、職員はもちろん、利用者様、ご家族、関係機関にすべて開示しています。もし私たちが理念に反した、利益第一主義の運営をしていれば、外部からも内部からもすぐに分かります。誰もが『それ、理念と違くない?』と言える社風づくりこそが、不正を未然に防ぐ最強の仕組み(透明性)だと確信しています。」

4. 業界への提言:目的と手段を履き違えるな

――今回の不適切事例を受け、制度が厳格化されます。これからのB型事業所に求められる「本物の経営力」とは何でしょうか?

社長:「今一度、『何のために企業が存在しているのか?』という原点に立ち返ることです。会社を存続させるためには利益が必要ですが、利益はあくまで会社を継続させるための『手段』であり、お金は暮らしを豊かにするための『ツール』の一つに過ぎません。『目的』と『手段』が逆転していないか。 自分たちが掲げた理念や経営目的は何だったのか。それを一分一秒たりとも忘れずに経営の舵取りを行うこと。この泥臭い自己反省の継続こそが、これからの時代に求められる本物の経営力ではないでしょうか。」

第2章:【現場のプライド】数値の裏にある「心の復興」

経営者が「理念」を語るならば、サービス管理責任者(サビ管)は「魂」を語ります。支援の最前線で何が起きているのか、そのリアルを掘り下げます。

1. 不正が起きる「構造」と「ジョブマッチング」

――サビ管として、形式的な雇用契約と「自分らしく働ける場所に繋げること」には、どのような違いがあると感じますか?

サビ管:「極論を言わせていただくと、不適切算定が起きる理由は『事業者側が事業所の利益しか考えていないから』、この一点に尽きます。もちろん制度設計の隙をつくような手法もありますが、現場が一人ひとりの人生に責任を持っていれば、到底できることではありません。」

「就職がうまくいくかどうかは、障害特性と企業の『ジョブマッチング』が適切かどうかです。丁寧なアセスメント、その方の夢や希望の共有、そして何より『その人の強みが活きるか』という視点。これを無視して、ただ『枠』に当てはめるのは支援ではありません。ただの事務的な『処理』です。」

2. 形式的雇用の代償:利用者の心を壊す「回し就労」

――実績作りのために準備不足のまま就職させたり、グループ会社で雇ったりする行為は、利用者にどんなダメージを与えますか?

サビ管:「一般就労に最も必要なのは、スキル以上に『利用者様本人の心作り』です。自信を少しずつ積み上げ、『自分も社会でやっていける』と思えるプロセスが不可欠なんです。それなのに、大人の事情で形式的に雇用し、準備ができていない場所へ放り出す。それは利用者様から自信を奪い、将来に対する希望や夢を根こそぎ失わせることになります。『自分はやっぱりダメなんだ』という、二度と癒えないかもしれない深い挫折感。その責任を、不正を行う事業者はどう取るつもりなのでしょうか。」

3. 正しい算定の根拠:連携という名の透明性

――「正しい算定」だと言い切るために、どのような支援や連携を日々行っていますか?

サビ管:「計画的な支援に欠かせないのは、利用者様のモチベーションを維持するための徹底的な関わりです。定期的な個別面談はもちろん、ピアグループ(仲間)でのイベント開催などを通じ、小さな変化も見逃さないようにしています。」

「また、事業所と企業だけで完結させないことも重要です。生活面を支えるご家族や相談支援専門員など、その方を取り巻くあらゆる人々との連携。この『多機関連携の輪』の中に支援を置くことで、隠し事のできない、透明性の高い算定の根拠が生まれます。」

4. 私たちが大切にする「事実」:外部から認められる喜び

――加算という「数字」ではなく、利用者が職場で笑っている「事実」のために大切にしていることは?

サビ管:「利用者様が『他の人に、りんぐすを勧めたい』と思ってくださるかどうか。それが私たちの成績表です。日々笑顔で帰ってもらうのはもちろんですが、サビ管としてさらに重視しているのは、利用者様の頑張りを外部の相談員の方などに積極的に報告することです。」

「事業所の職員以外の、いわば『外の人』から『最近頑張ってるね、すごいね』と褒められる。その瞬間、利用者様の中に『自分はここにいていいんだ』『周りが自分という人間を認めてくれている』という深い安心感と自信が宿ります。この心の平穏を守ることこそが、私のプライドです。」

第3章:大阪市の事例に学ぶ――「福祉」を汚さないために

ある事業所では、一般就労の実績を水増しするため、関連する一般社団法人等で形だけの雇用契約を結び、実際には業務を行わせていないにもかかわらず、加算を不正に請求していました。この事件の最も悲劇的な点は、「利用者が、自分が不正の片棒を担がされていることに気づいていなかった」ということです。

福祉とは、利用者の自立を助ける公的なサービスです。その信頼の土台があるからこそ、多くのご家族は安心して大切な人を預けてくださいます。大阪市の事例は、その土台を根底から腐らせる行為でした。

りんぐすは誓います。

私たちは、大阪市の事例を「他山の石」とし、常に自らを律し続けます。加算をいただくための支援ではなく、支援をした結果として加算が付いてくる。この順序を絶対に履き違えません。

第4章:これからの「りんぐす」の歩み

私たちの想いに共通しているのは、「利用者を一人の人間として、徹底的に尊重する」というシンプルな意志です。制度が厳格化されても、私たちのやるべきことは変わりません。

  • 本人の意思を最優先する(社長の言葉より)
  • 「必要とされるから利益が出る」という真理を貫く(社長の言葉より)
  • 目的と手段を逆にしない(社長の言葉より)
  • 適切なマッチングと「心作り」に時間をかける(サビ管の言葉より)
  • 地域や多機関と連携し、開かれた支援を行う(サビ管の言葉より)

あなたと共に「本物」を創りたい

もし、あなたが今、事業所選びで悩んでいるなら。もし、今の支援が「本当に自分のためになっているのか」と不安を感じているなら。一度、りんぐすの扉を叩いてみてください。

私たちは、あなたのことを「加算の対象」として見ることはありません。あなたの人生をどう彩るか、どうすればあなたが職場で笑っていられるか、そのことだけを真剣に考える「お節介なプロ集団」でありたいと思っています。

不正が騒がれる時代だからこそ、私たちは「誠実さ」を武器に戦います。利用者様、ご家族、そして地域社会の皆様。これからも「りんぐす」は、光の当たる道を、皆さんと共に歩んでまいります。

りんぐすからのお知らせ

「今の場所で本当に自分のことを考えてくれているのかな?」
「一般就労に興味があるけれど、無理強いされないか不安……」

そんな悩みをお持ちの方、ご家族の方、相談支援専門員の方。いつでもお気軽にご相談ください。